こんにちは、歯科医師の佐々木俊です。
皆さんは、TCH(歯列接触癖)という言葉をご存じですか?
今日は、これが歯の痛みや顎の痛み、場合によっては肩こりや頭痛などにも関連していることがありますよ~というお話です。
・TCHとは
人は安静にしているとき、上下の唇は閉じていても上下の歯はぶつかっておらず、1~3mmの隙間があいています。
(今これを読んでいるあなたは、上下の歯が接触していませんか?(゜o゜))
実は上下の歯がぶつかる時間は1日のうち、およそ20分と言われています。それ以外の時間は、歯と歯はちょっと離れているのが正常な状態なんですね。
グッと噛みしめるのは、いかにも歯や口の周りの筋肉によくなさそうだな…と想像しやすいと思いますが、上下の歯が軽く触れているだけでも歯髄(歯の中の神経のことで、冷たい熱いなどを感じているのはここです)や筋肉にはストレスがかかっています。
・TCHによって起こりうる症状
このTCHの影響として現れる症状としては
・歯がしみる(知覚過敏)
・固いものを噛むと歯、顎が痛い
・お口を大きく開けにくい
・歯の詰め物が取れる
・肩こり、頭痛
などが挙げられます。
もちろん、むし歯やほかの病気が原因になっていることもあるので、不安な症状があれば歯科医師の診察を受けてくださいね(゜_゜>)
・TCHを自覚したら
では、このTCH、どう対処したらよいのでしょうか?
これは「無意識のときにやっている癖」ですので、まず患者さん自身に歯と歯を合わせていることを自覚してもらうことが、何より重要です。
以下の特徴がある方は、歯と歯を合わせている時間が長い可能性が高いです。
・頬の粘膜や舌に歯型がついている
・上下の唇を合わせたときに、自然に上下の歯も合っている
・上下の歯が2mmほど離れていると、違和感がある
TCHに気づいたときは、上下の唇の間から、紙くらいの厚さの息をふーっと吐き出すと、上下の歯の間に適度な隙間ができるのでそれで一度リセットしましょう。
無意識の状態で行う癖なので、いきなりスパッとなくすのは難しいんですよね(◎_◎;)
まずは「歯と歯を接触させているのに気づいたら、離す」ように気をつけて、徐々に上下の歯が接触している時間が短くなるようにするといいです。
・まとめ
・安静にしているとき、上下の歯は接触していないのが正しい状態です
・上下の歯を長時間接触させる癖(TCH)により、歯や顎周りの筋肉にトラブルを起こすことがあります
・TCHを自覚したら、徐々に歯を接触させる時間を短くするよう気をつけてみましょう
・不安な症状があれば、歯科医師の診察を受けたほうがよいでしょう
1日に1人は、このような患者さんがいらっしゃってTCHの説明をしているので、ブログにしてみました( ..)φ
自分はどうかな?って確認してみてくださいね。
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